神楽坂「タンテボーネ」は、本多横丁にたたずむイタリアン。
季節の食材をふんだんに使った、目にも美しい絶品パスタを楽しめます。
ランチはリーズナブルでありながら、ディナーで頂くような本腰の入った料理を味わえるので、満足感は絶大です。
他店ではなかなか見られない、一工夫あるパスタは、グルメな方の舌をも唸らせるでしょう。
お店の空間やサービスも素晴らしく、普段使いはもちろん、デートや女子会にもぴったりです。
神楽坂のイタリアンで絶対に外したくない時は、タンテボーネで決まりでしょう。
この記事では、タンテボーネへの行き方、メニュー、食べたもの、混雑具合などをご紹介します。
※情報は2023年1月時点の内容です。
タンテボーネはこんな方におすすめ
・神楽坂で、上質を極めた絶品パスタランチを楽しみたい
・季節の食材をふんだんに使った、一捻りあるパスタを味わいたい
・デートや女子会にもぴったりな、上品で清潔感あるイタリアンを探している
タンテボーネへの行き方
タンテボーネの最寄駅は、東京メトロ・飯田橋駅。B4b出口より徒歩3分です。
神楽坂通りから行く場合は、本多横丁(肉まんの五〇番の横道)に入って直進すると、右手にタンテボーネがあります。
外観は白い屋根が目印です。路面店なので、初めて行く方でも分かりやすいでしょう。
店内の様子
白で統一された店内は清潔感があり、店員さんの丁寧な対応も相まって優雅な空間です。
席数はカウンターが3席、2名用テーブルが4卓、4名用テーブルが2卓。
窓際の席からは、外の様子が見えるので開放感があります。
ランチメニュー
平日ランチは、パスタ(税込1,300円)またはセコンド(1,700円)があります。
パスタランチには、前菜盛合せor気まぐれサラダ+パン+選べるパスタ+ドリンクが付きます。
パスタは日替わり4種類で、どれも魅力的な内容。何があるかは、行ってからのお楽しみです。
シェフ曰く、パスタは麺量90gくらいだそうです。
夏~秋になると、フルーツパスタが登場します(桃と生ハムの冷製、柿とゴルゴンゾーラ等)。
タンテボーネのシェフは、神楽坂のフルーツイタリアン「フルッティフィカーレ」(現在閉店)のご出身なので、その美味しさはお墨付き。
土日ランチは2種類のコースがあります。
A | 2,000円 | 前菜盛合せ・パン・選べるパスタ・デザート・ドリンク |
B | 2,500円 | 上記+肉料理 |
土日は前菜が5種類になり(平日は4種)、デフォルトでデザートが付きます。
食べたもの
私が今までタンテボーネで食べたランチを、一部ご紹介します。
前菜盛合せ
タンテボーネでは、前菜盛合せもランチの名物。
彩り豊かな前菜が4種(休日は5種)、一口サイズで楽しめます。
この日の前菜は、モルタデッラハム、タラとじゃが芋のカナッペ、ホタルイカとブロッコリーのアーモンド和え、いわしとトマトのマリネ。
とても1,300円のランチセットとは思えないほど、ゴージャスな内容です。
一品一品が本当に美味しく、それぞれをフルサイズで頂きたくなります。
別日の前菜盛合せは、野菜のバーニャカウダ、タラとじゃが芋のカナッペ、ブッラータチーズとトマトのカプレーゼ、海老とブロッコリーのアーモンド炒め。
特にバーニャカウダのソースが秀逸で、また登場することを願うばかりです。
まろみのあるクリームソースに、アンチョビの香ばしさが溶け込み、いくらでも野菜が食べられるほど美味。
休日ランチでは、前菜は5種類にボリュームアップします(平日は4種)。
この日は生ハム、オムレツ、カプレーゼ、カポナータ、カンパチのカルパッチョ。
特にカポナータが秀逸でした(写真右下)。
野菜の旨味を全面的に出しつつ、トマトの優しい甘さをほんのり纏っています。
今度はディナーで単品で頂こうと決意したほど、絶品のカポナータでした。
気まぐれサラダ
ランチセットでは、先述の前菜盛合せor気まぐれサラダを選べます。
気まぐれサラダも、前菜に引けをとらないほど豪華なので、野菜をたくさん食べたい時にはぜひおすすめ。
この日はサニーレタス、トマト、チキン、ツナ、オリーブ、生ハム、さらには削りチーズまで入っていました。
食材の一つ一つが良質ですが、甘酸っぱいバルサミコドレッシングも食欲を刺激する美味しさ。
夏の気まぐれサラダには、焼とうもろこしやトマト、ブロッコリー、生ハムなどがお目見え。
この日はバルサミコドレッシングがやや多い気がしたので、野菜自体を味わいたい方は、別添をお願いすると良いかもしれません。
タンテボーネのランチにはパンも付きます。
自家製ではなさそうですが、パンを付けてくれる心遣いが嬉しい。
外は硬めでサックリ、中はフカフカな食感です。
アーリオオーリオ系
ここからは、私がタンテボーネで食べたアーリオオーリオのパスタをご紹介します。
夏に訪問時は、「小海老とホワイトセロリのアーリオオーリオ」を注文。
メニュー名から、海老とセロリだけと思っていましたが、実際のパスタを見てびっくり。
トマトやパプリカ、2種のズッキーニなど、メニューには書かれていない夏野菜がたっぷり入っています。
メニュー名からは想像できないほど、実に彩り豊かなビジュアルです。
なんだかサプライズしてもらったような気分で、思わず笑顔になります。
お味はシンプルなオイルベースだからこそ、質の高さを感じます。
それぞれの食材がもつ旨味、異なる食感が混ざり合い、口の中でずっと感じていたいほど絶品。
別日には「シラスと菜の花のアーリオオーリオ・モリーカ添え」を頂きました。
菜の花は、茎の部分がホクホクと柔らかく、しっとりと食べやすい。
茎という、意外なところで感激です。
アブラナ科特有のにおいもなく、良質な食材を使っているのはもちろん、シェフの丁寧な調理を感じられます。
タンテボーネのパスタは、いつも理想的なアルデンテです。
口当たりはツルツルと柔らかいですが、ほんのりと芯がありコシを感じます。
表面にはモリーカ(ニンニクとアンチョビ風味のパン粉)が添えられ、これが食欲を刺激する名脇役でした。
パン粉のサクサクとした食感が、パスタの抜群のコシとリズミカルに奏で合います。
別日では「海老とほうれん草、くるみのアーリオオーリオ」を頂きました。
海老はプリプリと弾力があり、くるみのコリコリした食感と相性抜群。
クタッとしたほうれん草が、旨味たっぷりのオイルソースを吸い上げます。
別日には「サルシッチャときのこのアーリオオーリオ」をチョイス。
たっぷりのサルシッチャ(挽肉状のソーセージ)ときのこが、麺を覆うほどたっぷりオン。
オイルソースの上品な味つけと、サルシッチャの肉肉しさが共存し、まさにボロネーゼとアーリオオーリオの良いとこどり!
悶絶してしまうほど絶品でした。
トマトソース系
タンテボーネではトマトソースも色々あり、トマトクリーム、アラビアータ、アメリケーヌなどが登場します。
この日は「渡り蟹のトマトクリームパスタ」をチョイス。
渡り蟹というだけで期待が高まりますが、実際は想像以上にゴージャスなパスタで驚きました。
パスタには殻付きの蟹がゴロゴロと入っていて、殻の中にも身が詰まっています。
お昼から、蟹の殻をほじって食べるという贅沢を堪能。
トマトクリームソースには、蟹の旨味がたっぷりと溶け出し、一滴も残したくないほど美味しい。
クリームが入っていますが重たくなく、安心して頂けます。
クリームソース系
ここからは、私が食べたクリームソースのパスタをご紹介します。
この日は「海老とレモン、ルッコラのクレマ」を頂きました。
※小盛で注文したので、写真のボリュームは通常(90g)より少なめになります。
カプチーノのような泡立ち(クレマ)が特徴で、一口頂くごとにふんわりとした口当たりをもたらしてくれます。
驚いたのは、クリームソースなのに重たくないこと。もしかしたら、クリームを泡立てることで空気が入り、普通のクリームより軽くなるのかなと思いました。
またレモンのスッキリした酸味がアクセントになり、暑い夏でも絶対的に食べたい美味しさ。
秋には「生ハムとマッシュルームのクレマ」を頂きました。
メニュー名から、マッシュルームがパスタの上に乗っているのかなと思っていましたが、タンテボーネでは一工夫あるのが流儀。
細かく刻んだマッシュルームが、クリームソースに溶け込んでいて、これには驚き。
そのため、どの部分を食べてもマッシュルームの芳醇な風味があり、生ハムの塩気とも見事に調和しています。
来年の秋が待ち遠しくなるほどの逸品でした。
バジルソース、ミートソース
夏には「真ダコと夏野菜のジェノベーゼ」が登場しました。
私の経験では、ジェノベーゼは意外にオイリーなことがありますが、タンテボーネではオイル感が上品で、重たくありません。
バジルの爽やかな風味が鼻腔を駆け抜け、夏の到来が嬉しくなるほど、心地よいスッキリ感を味わえます。
「真ダコと夏野菜」というシンプルなメニュー名からは想像できないほど、たっぷりの食材で嬉しくなります。
真ダコや枝豆、ズッキーニ、焼とうもろこし、トマトなど、夏の旬を堪能。
真ダコはふわっと柔らかく、細かく刻まれており、パスタとの馴染みも抜群でした。
ミートソース部門では「牛肉のボロネーゼ・温玉添え」を頂きました。
甘口のミートソースからは、生クリームのコクを感じられます。
ふわふわの削りチーズや温玉とも相まって、優しい口当たり。
ワイルドなボロネーゼというよりは、上品なミートクリームソースという印象です。
デザート
この日のデザートはパンナコッタ。上にはキャラメルソース、りんご、苺、ブルーベリーが添えられています。
生クリームがギュッと詰まった、ミルクプリンのようなテイストです。
舌の上で溶けるようにトロトロとなめらかで、良いお口直し。
上に掛かったキャラメルソースが結構甘口で、完全にお腹一杯になりました。
タンテボーネでは、食後のコーヒーまで立派なクオリティです。
コーヒーはNESCAFEのマシンで作られ、表面には細かい泡があるのが特徴的。
調べたところ、コーヒーの泡は豆の鮮度が良い証拠だそうです(参考:コーヒーにできる泡は何?)。
食後のドリンクまで手抜かりないのは、さすがタンテボーネ。
以上、タンテボーネのご紹介でした。
混雑具合
大人気のお店なので、平日でも12:00には満席になります。
席が空いていても、予約席のため入れないこともあります(但し、予約で満席にはしないそうです)。
休日ランチは当日に電話予約し、カウンターなら可能とのことで、入れて頂きました。
シェフはお一人で、注文を受けてから丁寧に作られるため、パスタの提供には15~20分ほどかかります。
お昼休憩が限られている方は、提供時間も考慮したほうがいいかもしれません。
まとめ
タンテボーネの料理は一つ一つが丁寧で、上質そのもの。
お店の空間も気品があり、サービスも大変丁寧です。
同店には何度も行っていますが、毎回おもてなしの心を感じます。
人気店なので入れるかどうかが関門ですが、入ってしまえば極上のランチが約束されます。
日替わりパスタは、直感的に「食べてみたい!」と思う魅力的なメニューばかりです。
ビジュアルが想像以上に美しく、具材も豪華。
提供時に思わず「わぁ~!」と声が出てしまうのは、タンテボーネならでは。
1300円のランチとは思えないほど、満足度は最高峰です(個人的には2000円でも納得します)。
ちなみにタンテボーネの中田シェフは、牛込神楽坂のカルミネで10年修業した後、スタジオーネ系列で料理長を務めたご経歴の持ち主。(参照:フードスタジアム)
神楽坂で数多あるイタリアンの中でも、タンテボーネは特におすすめです。
お近くの方はぜひ行かれてみてください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。